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プラダーウィリー症候群とは|わがままな性格?顔つきの特徴も

プラダーウィリー症候群について|わがままな性格や顔つきの特徴についても解説します

今回は遺伝子の異常で肥満になってしまう病気、「プラダーウィリー症候群」について解説していきます。

止まらない異常な食欲や、特徴的な性格、顔つきについても詳しく説明していきます。

プラダーウィリー症候群とは

プラダーウィリー症候群は15番染色体長腕近位部 (15q11-13)領域の異常に起因する症候群です。

筋緊張の低下、知的障害、低身長、肥満、糖尿病、性腺機能低下症などの症状がみられます。

体の特徴としては小さな手足、アーモンド様の目、体幹部中心の肥満、色素低下などが挙げられます。

幼児期から過食が出現し、高度肥満を呈するのが大きな特徴です。

プラダーウィリー症候群の原因

プラダーウィリー症候群患者の約65~75%が、父から由来する染色体15q11-13領域の欠失が原因とされています。

約20~30%では母性片親性ダイソミーとされ、15番染色体が双方とも母由来のため、父由来の15番染色体が欠如しています。

大部分のプラダーウィリー症候群患者は孤発例で同胞における再発率は1%未満とされています。

発症頻度について

発生頻度は出生10000~15000人に1人であり、性別や人種差はありません。

プラダーウィリー症候群の有名人

フアン・カレーニョ・デ・ミランダというスペインの画家によって描かれた作品です。

5歳の少女の肖像画ですが、おそらくプラダーウィリー症候群だったのではないかといわれています。 

プラダーウィリー症候群の症状

代表的な症状は、摂食・ 満腹中枢、内分泌機能の中枢、体温調節・呼吸中枢などの存在する視床下部の異常により引き起こされます。

特異的顔貌(顔つき)

プラダーウィリー症候群の方の顔の特徴ですが、前額横径が狭い、アーモンド様のつぶらな目、狭い鼻梁、薄い上唇と下向きの口などの特徴的な顔つきがみられます。

ですので、幼少期は色白で眼がクリっとしているのが特徴です。

眼科的異常

斜視や弱視などの眼科的異常が60~70%にみられます。

脊柱側轡症

側弯が40~80%で合併するとされます。

低身長

日本人のプラダーウィリー症候群の最終平均身長は男性147.7±7.7cm、女性では141.2±4.8cmとされ、健常児の最終平均身長に比較して男性で22.2cm、女性で15.8cm低いとされています。

肥満

視床下部の満腹中枢の障害のため満腹感の欠如、過食や食べ物の探索行動、貯め込み、盗食などの問題行動がみられるのが特徴です。

肥満はこれらの問題行動や活動量の減少と筋肉量の低下による安静時エネルギー消費量の減少による総カロリー必要量の低下から起こるとされています。

糖尿病

我が国における糖尿病の合併頻度は10歳以降のプラダーウィリー症候群患者の26.2%で、半数が10~15歳と低年齢で発症しほとんどの例で高度肥満を合併しています。

性腺機能低下症

性腺機能低下症は胎児期から始まるため出生時から外性器異常がみられ、男児では80~100%の患者に片側または両側の停留精巣がみられます。

小陰茎は60%の患者にみられ、女児では小陰唇低形成や陰核の低形成がみられます。

精神・行動学的特徴

ほぼ全員で発達遅滞を認め、知的障害は平均IQにして60~70と軽度とされています。

他に食への執着、強迫的傾向、興奮など特徴的な行動症状が小児期より出現し、そのような行動が、保育者や周りからはわがままと捉えられることもあります。

思春期、青年期と年齢を経るにつれて行動症状は増悪しがちで、幻覚・妄想などの精神病性症状が出現することもあります。

このようなプラダーウィリー症候群の方の特性を理解して接するのはなかなか難しいのですが、そんな方に是非読んでほしいのが、「ぼくを 少しだけ 分かってほしい」という絵本です。

プラダーウィリー症候群の方と接することのある人は一度読んでおいてほしいです。

診断について

15q11-13領域の刷り込みパターンを調べるDNAメチル化テストで約99%の診断が可能とされています。

2018年にDNAメチル化テストが保険収載されましたが、現在でもFISH法が最初に行われることが一般的です。

プラダーウィリー症候群の治療法

食事療法

大部分の新生児が哺乳障害を有し、経管栄養を必要とします。

2歳過ぎから食欲の増加や除脂肪体重の減少による低い代謝率のため、カロリー過剰摂取のない体重増加がみられ、体重維持のためには10kcal/cm/dayを目安とした栄養管理が望ましいとされています(体重減少がみられない場合はさらにカロリー量を制限します)。

運動が苦手な児が多いが積極的に運動をさせる介入が運動能力の改善だけでなく体組成の改善にも有用です。

成人期以降も体重維持のために1500kcal/ day以下の栄養制限を推奨されています。

成長ホルモン補充療法

成長ホルモン補充療法は低身長の改善とともに、体組成の改善、筋力向上、骨密度改善などの効果があり、開始年齢は定まったものはありませんが、欧米では運動発達改善や体組成改善を目的に生後6カ月前から開始されています。

性ホルモン補充療法

性腺機能低下症は必発であり、骨密度や筋肉量の減少を生じます。

性腺機能低下症に対して性ホルモン補充療法が考慮されますが、男性ではテストステロン補充により攻撃性の増加や異常行動が増悪する可能性が危惧され現在まで積極的には実施されていません。

まとめ

今回はプラダーウィリー症候群についてまとめました。

しっかりと病気の特性を理解して周りがサポートできるようになるといいですね。

是非参考にしてみてください。

参考文献

大戸佑二:プラダーウィリー症候群. 新薬と臨牀, Vol.68, No.8, 2019, 63-66

ABOUT ME
Dr.Koro
Dr.Koro
小児科専門医で小児内分泌が専門で、大学病院等を経て現在都内の病院で働いています。病気や育児に役立つ情報を紹介しています。