モビコールの効果や副作用と味や飲み方について解説します【小児の便秘に】
小児の便秘では長らく酸化マグネシウムなどが主流でしたがその流れが変わるかもしれません。
今回紹介するモビコールは世界的には便秘の治療薬として主流となっています。
2019年12月1日より日本でも投与制限が解除されましたので今回紹介します。
モビコールとは
モビコールとはポリエチレングリコールを主成分とした製剤です。
英国にて小児(2歳~11歳)の慢性便秘症および小児(5歳~11歳)の便塞栓の適応として2002年10月に承認されました。
2016年2月現在では欧州を中心に37ヵ国で承認されています。
海外のガイドラインでは、英国のNICEガイドライン(2010年)に小児便秘症に対してポリエチレングリコール製剤をファーストラインとして使用することが記載されています。
北米小児栄養消化器肝臓学会および欧州小児栄養消化器肝臓学会のガイドライン(2014年)でも、小児便秘症治療にポリエチレングリコール製剤を用いることが推奨されています。
成人に関しても、世界消化器病学会(WGO)のガイドライン(2010年)、および米国消化器病学会(AGA)のガイドライン(2013年)において、ポリエチレングリコール製剤が推奨されています。
作用機序
主成分のポリエチレングリコールの浸透圧効果により、腸管内の水分量が増加します。
その結果、便中水分量が増加し、便が軟化、便容積が増大することで、生理的に大腸の蠕動運動が活発化し排便が促されます。
モビコールの飲み方について
モビコールは粉末状の薬であり、水に溶かして飲ませます。
味はややしょっぱく、甘みの少ないOS1のような味がします。
そのため味の問題で飲みづらい方はジュースに混ぜることも可能です。
下に飲み合わせ表をのせておきます。
私も実際にリンゴジュースやスポーツドリンクに混ぜて飲んでみましたが水よりも飲みやすかったのでおすすめですよ。
用法・用量(添付文書より)
2~6歳の場合
初回用量として1回1包を1日1回経口投与する。
以降、症状に応じて適宜増減し、1日1~3回経口投与、最大投与量は1日量として4包まで(1回量として2包まで)とする。
ただし、増量は2日以上の間隔をあけて行い、増量幅は1日量として1包までとする。
7~11歳の場合
初回用量として1回2包を1日1回経口投与する。
以降、症状に応じて適宜増減し、1日1~3回経口投与、最大投与量は1日量として4包まで(1回量として2包まで)とする。
ただし、増量は2日以上の間隔をあけて行い、増量幅は1日量として1包までとする。
成人及び12歳以上の小児の場合
初回用量として1回2包を1日1回経口投与する。
以降、症状に応じて適宜増減し、1日1~3回経口投与、最大投与量は1日量として6包まで(1回量として4包まで)とする。
ただし、増量は2日以上の間隔をあけて行い、増量幅は1日量として2包までとする。
年齢により投与量が違うので注意しましょう。
服用量調節は?
このように便の性状を確認しながら投与量を調整します。
副作用について
承認時までの国内の臨床試験では192例中33例(17.2%)に副作用が認められています。
主な副作用は下痢7例(3.6%)、腹痛7例(3.6%)でした。
この結果から副作用は軽度のものが多く安全性の高い薬であると言えるでしょう。
子どもに使用する上でとても大事なポイントですね。
まとめ
モビコールは各国の便秘のガイドラインでも推奨されており比較的安全で効果の高い薬と言えます。
これまでの便秘治療で改善のなかった方は試してみてもよいのではないのでしょうか。
ただ、まだ使用経験のある先生は少ないかと思いますので使えるかどうかは相談してみてください。
EAファーマ株式会社HP https://www.eapharma.co.jp/medicalexpert/product/movicol/