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子どもの肌荒れや皮膚の乾燥にオススメの保湿剤を紹介|スキンケアの方法についても

子どもの肌荒れや皮膚の乾燥にオススメの保湿剤を紹介|スキンケアの方法についても

子どもは皮膚が大人と違い薄く、外からのダメージに弱いですのですぐに肌が荒れてしまいがちです。

そのため日頃のスキンケアが大事になってきますが、その具体的な方法とオススメの市販の保湿剤を紹介していきたいと思います。

はじめに: 子どもの皮膚の特徴について

子どもは生後4~5カ月を過ぎると急激に皮脂量が減りとても乾燥しやすくなります。

水分の保持量も少なく皮膚が薄いため外からの刺激に対するバリア機能が未熟です。

また単位面積当たりの汗腺の数が多く汗をかきやすいです。

そのため、あせもや外からの刺激による様々な皮膚トラブルを引き起こすとされています。

スキンケアでアトピーを予防できる⁈

ノルウェーの研究グループが定期的にオイル浴をさせる介人群と特に何もしない観察群に無作為に振り分け、6カ月時点での皮膚の状態を観察し評価した研究があります。

その結果、積極的にオイル浴をさせた群では6カ月時点で皮膚の乾燥が正常化した乳児が有意に多く、アトピー性皮膚炎と診断された割合が低かったこと、有害事象はなかったとの報告が2014年9月に出されました。

国内でも堀向らにおけるランダム化比較試験で、新生児期からの定期的な保湿剤の塗布により、32週後のアトピー性皮膚炎の発症リスクが3割以上低下したことを報告しています。

このように新生児期からのスキンケアが, 少なくとも生後6~8カ月までのアトピー性皮膚炎の発症を抑える予防効果があることが実証されているのです。

アトピー以外の皮膚トラブルの予防効果もあります

子どもは前述したとおり皮膚が薄くバリア機能が未熟です。

そのため外からのちょっとした刺激ですぐにトラブルを起こしてしまいがちです。

例えばよだれかぶれなど、口周りが赤くかぶれて、ひどいとただれてしまったりします。

これも子どもの皮膚のバリア機能の未熟性からくるもので、普段からしっかりと保湿などのスキンケアを行うことにより防げます。

他にも伝染性膿痂疹(とびひ)やあせも、おむつ皮膚炎なども、普段から皮膚をケアしてあげることにより発症あるいは重症化を防ぐことができるかもしれません。

スキンケアの具体的な方法

1.きれいに洗う

汗、よだれ、ほこり、ダニなどは皮膚の刺激になってしまいます。

またスポンジ、ナイロンタオル、ボディーブラシなどで擦ることは皮膚を傷つけバリア機能を低下させることにつながります。

子ども用のボディソープをしっかり泡立てて優しくなでるように洗ってください。

ここで注意ですが刺激が強いのでボディーソープを原液のまま塗りつけることは避けてください。

首、耳の後ろ、わきの下、鼠径部などのくびれた部分は汚れがたまりやすいのでしっかり洗いましょう。

洗い終わったらそのあとは十分にお湯で流してください。

湯舟につかるときも注意が必要です。

熱いお湯は避け新生児では38℃、乳幼児では38~40℃くらいの低めの温度にし、かつ湯船に長時間つからない(5分以内にとどめる)。

熱いお湯や長湯は皮膚の角質層表面の皮脂膜をお湯の中に溶かし出してしまい保湿機能が奪われてしまいます。

入浴後はタオルでこすらずに水気を吸い取るように押し拭いてください。

2.しっかり保湿をしましょう

体を洗った後は皮脂が流れ落ち急激に乾燥します。

20分ほどで入浴前と同じ状態にまで低下し時間が経過すると皮脂が流れ落ちてしまったことにより水分が奪われ入浴以前よりも乾燥した状態になると考えられています。

入浴後15分前後で保湿剤を素早く塗ることが推奨されます。

 1)保湿剤の塗り方について

保湿剤を塗るタイミング

①入浴後

②食事の後や汚れた口の周りや手を洗ったり拭いたりした後

③乾燥していると思った時

塗る量の目安は光を反射して少しテカテカするくらいがちょうどよい量です。

 2)保湿剤の種類について

保湿剤の種類

(1)皮膚の表面に油脂性の膜を作り水分の蒸散を防ぐタイプ:ワセリン、プロペト、スクワラン、ツバキ油、オリーブ油など。

(2)水分と強く結合して保湿効果を発揮する保湿剤:ヘパリン類似物質(ヒルドイド)、ヒアルロン酸水溶性コラーゲンなど。

(3)天然保湿因子として働く保湿剤:セラミド、ヒアルロン酸ナトリウム、尿素など。

種類により使い心地や相性がありますのでいろいろ試してみると良いでしょう。

おすすめの保湿剤5選

下にいくつか実際に使ってみてよかったものをあげておきます。

パックスベビー ボディークリーム

これは香りも自然で刺激もなく新生児期にお世話になりました。

ピジョン ベビーミルクローション

これはさらさらしていてべたつかずとても使いやすかったです。

量も多いので毎日使う方にはありがたいです。

ピジョン ベビーミルクローション うるおいプラス

保湿力がアップしたこちらもおすすめです。

トロトロしていて肌がプルプルになります。

乾燥が強い子はこちらをオススメします。

ベビーワセリン

塗りやすいのでお勧めです。

ローションで塗った後にこれを使うのもよいでしょう。

冬など乾燥している時期はしっかり塗ってあげてください。

メリーズ ベビーローション

ずっとピジョンのものを使っていたのですが、こちらはよい香りがして使いやすかったです。

量が多く、さっぱりした着け心地なので家族みんなで使ってもいいですね。

アトピタ ベビーローション

親戚の子どもが肌が荒れてしまい、なかなか市販のローションで合うものがなかったそうですが、これはよかったようです。

うちの子も一時期使っていましたがしっとりと肌に馴染んでくれて肌も潤っていました。

保湿成分がしっかり入っているので肌がカサカサしている子は試してもいいかもしれません。

まとめ

病院で保湿剤を処方してもらう方も多いと思いますが、毎日使うとなるとこういった市販のものが便利です。

保湿剤もそれぞれ相性があるかと思いますので、いろいろ試して自分に合ったものを使ってみてください。

1) 馬場直子:子どものスキンケア. 小児科臨床 71: 25-30, 2018

2) Kvenshagen BK et al : Can early skin cave normalise dry skin and possibly prevent atopic eczema? A pilot study in young infants.Allergol Immunopathol (Madr).2014;42:539-543. 

3)Kenta Horimukai, et al.:Application of moisturizer to neonates prevents development of atopic dermatitis.J Allergy Clin Immunol 2014;134; 824-830.

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病気や育児に役立つ情報を紹介する小児科医です