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ヒカキンさんが罹患した「好酸球性副鼻腔炎」とは?—症状・治療法・予後について詳しく解説

ヒカキンさんが罹患した「好酸球性副鼻腔炎」とは?

人気YouTuberのヒカキンさんが、2025年1月19日に自身のYouTubeチャンネル「HikakinTV」で、指定難病である「好酸球性副鼻腔炎」と診断され、入院・手術を受けていたことを公表しました。 

この病気は一般的な副鼻腔炎と異なり、再発しやすく治療が難しいとされています。本記事では、好酸球性副鼻腔炎の症状、原因、治療法、予後について、最新の医学的知見に基づき詳しく解説します。

好酸球性副鼻腔炎とは?

好酸球性副鼻腔炎は、慢性副鼻腔炎の一種で、鼻腔や副鼻腔の粘膜に好酸球という白血球の一種が異常に増加し、炎症を引き起こす疾患です。特徴的な症状として、鼻茸(鼻ポリープ)の形成や嗅覚障害が挙げられます。この疾患は再発しやすく、治療が難しいことで知られています。

主な症状

好酸球性副鼻腔炎の主な症状は以下の通りです。

鼻閉(鼻づまり):鼻茸や粘性の高い鼻汁により、重度の鼻づまりが生じます。

嗅覚障害:鼻閉と嗅上皮の障害により、嗅覚が低下し、進行すると完全に失われることもあります。

喘息の合併:気管支喘息を併発することが多く、口呼吸により喘息発作が誘発され、重度の呼吸困難に陥ることもあります。

味覚障害:嗅覚障害に伴い、味覚にも影響が出ることがあります。

中耳炎の併発:粘性の高い耳漏や難聴を伴う難治性中耳炎を併発し、進行すると聴力を失う可能性もあります。

原因とリスク要因

好酸球性副鼻腔炎の正確な原因は未だ明らかになっていませんが、以下の要因が関与していると考えられています。

免疫反応の異常:鼻腔や副鼻腔の粘膜における好酸球の過剰な浸潤は、免疫系の過剰反応が関与しているとされています。

アレルギー体質:アレルギー性鼻炎や喘息などのアレルギー疾患を持つ人は、好酸球性副鼻腔炎を発症しやすいと報告されています。

遺伝的要因:家族歴や遺伝的素因もリスク要因として考えられています。

診断方法

診断は、以下の方法で行われます。

内視鏡検査:鼻腔内を観察し、鼻茸の有無や炎症の程度を確認します。

画像診断:CTスキャンなどで副鼻腔の状態を詳細に評価します。

血液検査:血中の好酸球数やIgE値を測定し、アレルギーの有無を確認します。

病理組織検査:摘出した鼻茸の組織を顕微鏡で観察し、好酸球の浸潤を確認します。

治療法

好酸球性副鼻腔炎の治療は難しく、以下の方法が主に用いられます。

1. 経口ステロイド療法:ステロイド薬の内服は炎症を抑える効果がありますが、長期使用による副作用が懸念されます。

2. 内視鏡下鼻副鼻腔手術:鼻茸を摘出し、副鼻腔の通気性を改善しますが、再発しやすい特徴があります。

3. 生物学的製剤の使用:重症例では、ヒト型抗ヒトIL-4/13受容体モノクローナル抗体などの生物学的製剤が有効とされています。

予後と再発

好酸球性副鼻腔炎は再発しやすく、内視鏡下鼻内副鼻腔手術を行った場合でも、術後6年間で約50%の症例が再発すると報告されています。そのため、術後も定期的な経過観察と必要に応じた追加治療が重要です。

参考書籍

好酸球性副鼻腔炎について詳しく知るための参考書籍を以下に紹介します。

『好酸球性副鼻腔炎の効果的な治療法-私の治療戦略-』:本書は、好酸球性副鼻腔炎の病態、診断


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